韓方と漢方の違い
韓方ってなに?
わかりやすく端的に言うと 中国は中国医学、中医学と呼ばれていますね。
韓国は朝鮮医学、韓医学、韓方、日本は漢方、漢方医学、和漢方と呼ばれています。
つまり、韓国の伝統医学、東洋医学を『韓医学』や『韓方(ハンバン)』と言います。
西洋医学と対比して表現される東洋医学という言葉は、その名の通り、東洋、つまりアジアの国を指しますから、東洋医学と言えば、アジアの伝統医学を指すということになります。
インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」は日本でも有名ですし、 タイやチベット、その他のアジアの国々でも伝統医学は存在します。
中医学、漢方、韓方の話になると、中国の伝統医学が韓国、日本にそれぞれ伝わり、その国の気候や土地の特徴、 人々の体質、食事や生活習慣などに合わせ それぞれの国で研究され発展した という話になります。
それが一番わかりやすいし、伝わりやすいので、私もそうお話しています。
ただし、それは少し疑問も残ります。 中国から中医学が伝わるまで、日本も韓国も、何も医学的な療法がなかったかのような誤解にも繋がりかねない。
もちろん中国から何か伝わったものがあり、そこから発展を遂げたのは間違いではありません。 しかしながら、日中韓(朝鮮)それぞれの国において独自の医療はあったはず。
そして三国それぞれの交流を持ちながら、それぞれが独自の個性を活かした発展を遂げたのではないかと思います。
紀元前まで遡る時代に関しては、歴史上の記録も不足しているので断定することは難しいですが、私はそう感じています。
韓方と漢方、それぞれの特徴とは
日本では1543年の鉄砲伝来以降、西洋医学が入ってきました。明治維新後には漢方、漢方医学は廃止され、日本における医学は西洋医学だとされるようになったと言われています。
韓方は人をみる
韓国の韓方、韓医学の特徴は 「人をみる」と表現されます。
日本の漢方、漢方医学の特徴としては 「症状を重視する」 。
簡単に説明すると、例えば風邪をひいた時 、日本では症状、つまり鼻水が出ているのか、それとも鼻詰まりなのか、空咳が出ているのか?痰が出ているのか? 発熱はあるか?
そのような部分に着目します。
韓国では『人をみる』つまり、体質や性格、食事や生活習慣、仕事や住環境、 睡眠はどうか?
精神的にはどうか?など、その人自身を構成するすべてを見る。
なぜなら、風邪をひいた原因は、その人を取り巻く要因の中にあるから。
その要因は千差万別、人によって変わるから、 治療も薬も異なると考えます。
もちろん、日本の漢方においても、その人の体質や生活習慣などの人に関わる部分も大切にしています。
ただし、韓方と漢方で比較するならば、韓国の韓方の方がより『人』に焦点を当てていると言えます。
日本は症状を重視するという特徴があるおかげで、市販の漢方薬が発展したとも言われます。
漢方医学が廃止されたことで、 漢方医師の診療を受けることは出来ず、 薬が発展したのかもしれません。
今ではドラッグストアで市販の漢方薬を購入できますね。
そのパッケージには、やはり、症状が書かれています。 ただし、漢方であれども、 体質を軽視してるわけではありません。
漢方薬を服用する際にも、 体質に合わないものであれば、効果は表れないどころか、 悪化する恐れもありますので 十分な注意が必要です。